不登校のお子さまが希望ある将来へ進むために
2019年3月29日
[2020年4月9日 更新]
~ 不登校のお子さまの将来が心配な保護者さまへ ~
不登校のお子さまが希望ある将来へ進むために
教務スタッフの久積です。
不登校のお子さまをお持ちの保護者さまは、お子さまの将来が心配で仕方がないという不安や悩みを抱えていらっしゃる方が多いと思います。
そんな保護者さまへ、これから紹介させていただく「不登校のお子さまの将来」について読んでいただき、少しでも日々の不安な気持ちや葛藤を和らげることができたら幸いです。
不登校のお子さまに対して保護者さまが笑顔で接することが大切
不登校のお子さまも自分自身を責めています
お子さまが家に引きこもりがちになっていき不登校になると、その保護者さまは「どうしてこうなってしまったのか」と自分やお子さまを責めたり、つい悲観的になってしまっていたりしませんか。
不登校になったお子さま自身もきっと、「どうして自分は学校に行けないのだろう」「学校に行かないことで家族に心配をかけてしまっている」と自分自身を責めてしまっているはずです。
そんなとき、大人としてお子さまのお手本にならなければいけない保護者さまが、毎日不安な顔をしていたら、お子さまはどんな気持ちになるでしょうか。
まずは「子どもが生きてさえいてくれればそれでいい」という気持ちで、保護者さまが笑顔でいることを心がけましょう。
では実際に、不登校のお子さまの将来はどうなっていくのか、不登校のお子さまの将来についての現実を、文部科学省のデータや当会の生徒さんの体験談も合わせてご紹介します。
不登校のお子さまの将来についての現実とは
不登校のお子さまの約8割は就学・就職することができている
文部科学省の「不登校に関する実態調査」~平成18年度 不登校生徒に関する追跡調査報告書~(平成26年7月9日) www.mext.go.jp/a_menu/shotou/seitoshidou/1349949.htm によると、平成18年度に中学3年生で不登校だった生徒さんが20歳になり成人したとき、81.9%が就学・就業のいずれかまたは両方に従事できているということがわかります。
また、中学卒業時の高校進学率も85.1%と比較的高いといえます。
不登校の経験を前向きにとらえることができる場合も
上述の文部科学省のインタビュー調査では、不登校の経験を振り返り、勉強、友人、進路などでのマイナスがあったという意見の一方で、「休んだことで今の自分がある」「成長した・視野が広がった」「出会いがあった」「人とは違う経験をした」「人に優しくなった」などという意見もあることがわかります。
このことから、不登校の経験を前向きにとらえることができる場合もあるといえます。
高校卒業、専門学校・大学卒業が将来の就職に大きな影響を与える
「高校卒業」や「専門学校・大学卒業」がお子さまの将来の選択肢の幅を広げたり、社会復帰に大きな影響を与えたりすることは事実です。特に「高校卒業」はお子さまの将来に非常に大きな影響を与えます。
そのため、不登校のお子さまに対しては、高校卒業ができるようにサポートしてあげることが必要です。
高校の選択肢もいくつかあり、現在は不登校や引きこもりの子どもへのサポートやシステムが充実しているところも多いため、お子さまにあった高校を目指すとよいでしょう。通信制高校や定時制高校、フリースクールといった教育機関は比較的不登校経験のあるお子さまが多い傾向にあります。
不登校のお子さまの高校進学について、受け入れ先を知りたい方はこちらの記事もご覧ください。
不登校のお子さまの将来を希望あふれるものにするためには
社会性を身につけることが必要
不登校のお子さまに対しては、社会性が身につくようなサポートに力を入れることが重要です。それは、学生時代に不登校経験があると社会性が身につきにくくなるということがわかっているからです。
社会性が身についていないと、成人後の就職などにも影響してしまいます。
そのため、不登校のお子さまには他人とコミュニケーションをとる機会を与えるなど、社会性を身につけるための環境づくりが必要です。
お子さまの無理のない範囲でさまざまな人たちとコミュニケーションが取れるようにしてあげましょう。
保護者さまが適切に接することが重要
不登校のお子さまにとって一番身近な存在である保護者さまやご家族が、適切に接してあげることが重要です。
まずはお子さまが毎日一番長い時間を過ごす家という場所を、安心できる居場所にしてあげましょう。
不登校のお子さまへ、家庭でできるサポートについて詳しく知りたい方はぜひこちらの記事をご覧ください。
無理せず第三者の力を借りましょう
親としてお子さまのことが心配なのはとてもわかりますが、親子だけで不登校の問題を解決するのは難しい場合が多いです。思春期である不登校のお子さまと親子つきっきりで過ごしていると、どうしてもお互いに疲弊してしまうこともあると思います。
そんなときは無理せず第三者の力を借りましょう。スクールカウンセラーや不登校生徒のサポート団体などに頼るのもよいでしょう。
スタッフ久積の一口メモ
不登校のお子さまが、自分の悩みや気持ちを保護者さまに打ち明けられることが一番いいのですが、なかなか難しいことも多いようです。そんなとき、第三者である家庭教師に少しずつ話してくれる生徒さんも多いです。
また、保護者さまも家庭教師にお子さまの様子を聞いたり、お子さまとの接し方を相談したりすることもできるので、お子さま、保護者さまともに心の拠り所としてサポートさせていただけます。
学生家庭教師会では、指導経験豊富なスタッフ・家庭教師陣が、不登校や引きこもりのお子さまやその保護者さまに対するサポートを行っています。
どんな小さな悩みでもお気軽にご相談ください。
最後に、当会に入会していた現在20歳になったHさんの体験談をご紹介させていただきます。
小学校5年生から不登校だったHさんの体験談
Hさんが当会に入会したのは、ちょうど不登校になった小学校5年生のときでした。
友達との関係が上手くいかず不登校になったとのことでした。担当スタッフや教師は、Hさんの気持ちに寄り添い、とにかく話し相手になり無理をさせないようにしながら勉強を進めていきました。
なかなか本格的に学校復帰できない日々が続きましたが、Hさんが中学生になり、Hさんの通う学校の授業の進度やテスト範囲などをしっかりと把握し指導を進めることで、学校に行っていなくてもテストだけは受けにいけるという自信がついていきました。それと同時に徐々に気持ちが前向きになっていったようです。
そんななか、突如Hさんが学校に行くことを決心したのは、中学校3年生の体育祭の日でした。当会の担当スタッフや教師との信頼関係を築いていくうちに、体育祭の日に学校に行くことを決心することができたそうです。
Hさんは体育祭に参加できたことを機に、本格的に学校復帰を果たし、中学卒業後は、私立高校に進学することができました。その後、通信制の高校に転学することにはなりましたが、無事高校を卒業し、今春からHさんの行きたかった県外の短期大学へ入学することが決まっています。
小学校から不登校だったHさんですが、家庭教師のサポートも受けながら、学校復帰を果たし、現在は不登校の経験を前向きにとらえ、また新しい将来への扉を開こうとしています。
私たち学生家庭教師会は、不登校のお子さまとその保護者さまが、将来について悲観的にならず、前に進むことができるよう心から願っています。