発達障害の子でも、勉強の仕方次第でできるようになる!
2018年8月17日
[2019年6月7日 更新]
発達障害の子でも、勉強の仕方次第でできるようになる!
発達障害の子は、勉強ができないと諦めていませんか?いいえ、諦めないでください!お子さまの発達障害のタイプをしっかりと知れば、勉強ができるよう導いてあげることができます。今回は、発達障害のタイプと対処法と、家庭教師ならではの視点で、やる気を引き出し楽しく勉強する方法についてお伝えします。
発達障害について知ろう
発達障害にはいろいろなタイプがあります。ここでは、大きく分けて3つのタイプについて勉強に対しての特徴とともに紹介します。
発達障害のタイプ
自閉スペクトラム症(ASD)
少し前まで「自閉症」「アスペルガー症候群」「広汎性発達障害」などと診断されていた子たちは現在すべて自閉スペクトラム症(ASD)と呼ばれます。ASDの子たちは自分の殻に閉じこもりやすいという特徴があります。そのため、相手の表情を読み取ったり、相手の気持ちを考えたりといったコミュニケーションが苦手です。また、こだわりが強く、自分の習慣となっているものや、あらかじめ決まっている予定が変わってしまうことを苦痛に感じます。しかし、ひとつのことに集中して取り組むことのできる子が多いので、勉強においては比較的できる傾向にあります。
こんな例があります。広汎性発達障害と診断されていた当時中学生だった生徒さんは、人付き合いが苦手で、学校にあまり行きたがりませんでした。勉強は家庭教師と行い、定期テストなどを受けに行けば、学年でも上位の成績でした。家庭教師と打ち解けられたこと、成績が上がったことで自信がつき、高校に入ると、接客業のアルバイトを始めました。何かのきっかけで、自信がつき、人付き合いも克服できることがあります。
注意欠陥・多動性障害(ADHD)
じっとしていられなかったり、人の話をさえぎって話したり、年齢的に相応していない言動や不注意、多動性がみられます。また、衝動性もあり、刺激を好む傾向にあります。
勉強においては、興味のあることに関してはとても集中するいっぽうで、興味のないことには注意散漫になるため、ある1つの知識だけ突出しているという特徴があります。例えば、理科の天体に関する分野だけ熱心に勉強するなどです。
ADHDのお子さまは、無理に集中させるのではなく、集中力が切れ注意がそれたら、それに少し付き合ってあげるといった柔軟な対応をおすすめします。実際に、家庭教師の指導ではそういったお子さまに対し、最初は勉強以外の雑談が多くなっても構わないので徐々に勉強に気を向けていくようにと指導方法をアドバイスしています。
学習障害(LD)
知的な発達に問題はなく、むしろ一般レベルかそれ以上なことが多いですが、「聞く」「話す」「書く」「計算する」などある特定の能力だけが極端にできないといった特徴があります。有名人では、トム・クルーズさんやオーランド・ブルームさんが学習障害のなかの読み書き障害(ディスクレシア)であることを公表しています。
以下に学習障害について詳しく紹介しますのでご覧ください。
学習障害のタイプと対処法を知っておこう
勉強に大きく関わってくるのは学習障害です。全体的に知能の遅れはありませんが、学習面において特定の項目が飛びぬけて苦手な場合は学習障害の可能性が高いといえます。周囲の理解がないと、単に勉強嫌いととらえられてしまう現実もあります。ここでは、学習障害のタイプと対処法について紹介します。
読み書き障害(ディスクレシア)
特徴
- ひらがなやカタカナの読み書きが苦手
- 文字を読むのに時間がかかってしまう
- 年齢相応の漢字が使えない
- 飛ばし読みをしてしまう
- 文字がぼやけて二重にみえたり、裏返しにみえたりする
対処法
- 音声入力やタイピングを習得する
- 文節ごとに斜線をひく
- 文字をイラストと照らし合わせて覚えられるようにする
- 読む行だけが見えるように他の行が隠せるシートをつくる
算数障害(ディスカリキュリア)
特徴
- 数を数えるのが苦手
- 数字を覚えることができない
- ひっ算の繰り上がりや繰り下がりが理解できない
対処法
- 数の大小や足し算引き算に、ブロックなどを活用する
- ひっ算の計算をする場合は、マス目などを書いてあげる
これらの特徴は、いくら頑張りなさいと言われても、本人の努力ややる気だけでは乗り越えられません。発達障害・学習障害を持ったお子さまたちが、少しでも楽しく勉強ができるようにその子に合った勉強方法を見つけてあげましょう。
発達障害・学習障害の子たちが楽しく勉強する方法
勉強が楽しいと思うためには「できる」「わかる」という自信が必要です。できることや分かることが増えるような勉強方法を試し、見つけてあげましょう。
好きなことと勉強を結び付けてあげる
勉強はできないけど好きなことに関しては極端に集中力が高いお子さまが多いでしょう。没頭して楽しめるものがあるお子さまには、そのことと勉強を結びつけることで勉強にも興味を持ち、高い集中力で吸収していくでしょう。
1つの事を短時間で繰り返し勉強する
長い時間をかけて勉強するよりもテンポよく1つのことを繰り返し学習するほうが得意で効果的といわれています。
分からないところをしっかりと見つけてあげる
自分で分からないところが分からない!といった状況も少なくありません。今の学年からさかのぼって問題に取り組ませるなどして、お子さまの苦手をよく把握したうえで、勉強内容をアドバイスしてあげましょう。
画像や動画、音声読みがある目や耳で楽しめる教材を探す
勉強の内容を視覚化しやすい教材は、理解しやすくなります。また、動画や音声があると興味も示してくれるので効果的です。
予習を一緒にしてあげることで授業中の集中力がつく
苦手があると、学校の授業を聞いていてもよく分からず、その授業に興味が持てないという場合がほとんどです。そのため、学校の授業で勉強する前に、家で一緒に予習をしてあげましょう。やったことのある問題がでてくる授業に関心を持ち、内容がわかるためやる気と自信につながります。
勉強は親子二人三脚で取り組むことが大切
親も子どもの勉強に関心を持ち、協力しよう
お子さまの勉強のモチベーションを保つためには保護者さまの協力が必要です。しっかりと子どもと向き合い、できないことを許容しながら、一緒に勉強方法や分からないところを考えてあげることが必要です。また、お子さまにその都度目標や道筋を示してあげるようにしましょう。まずは達成できるような小さな目標を示し、その目標を達成することによって得られる成功体験を感じさせてあげることをおすすめします。保護者さまがお子さまの勉強に関心を持ってあげることが何より大切です。
困ったらプロの家庭教師に頼むことを検討しよう
勉強を教えることができなかったり、家庭だけでの解決が困難だったりする場合は、プロの家庭教師に頼むことをおすすめします。なかには発達障害を持つお子さまに対応したコースのある家庭教師派遣会社も存在します。経験豊富なスタッフや家庭教師は、お子さまだけでなく、保護者さまにもお子さまとの接し方やサポートに対するアドバイスもしてくれます。実際に相談してアドバイスをもらい、保護者さまのお子さまに対する接し方が変わったことでよい方向に進んだケースもあります。
学生家庭教師会でも実際に発達障害を持った生徒さんが頑張っています。ぜひお気軽にご相談ください。
お子さまに合った勉強法を見つけ楽しく学べる環境を整えてあげよう
発達障害は、持って生まれた特性で、その子の人生においてずっと付き合っていくものです。特に小学校、中学校、高校、、、と、子どものうちは勉強面において苦労することが多いかと思います。お子さまの発達障害の特性に合った勉強方法を見つけ、楽しく学べる環境を整えてあげましょう。きっと将来自分の道を見つけられるはずです。以上、発達障害のタイプと勉強方法についてお伝えしました。